香川県では、家庭と事業者の双方から出ている食品ロスの削減に向け、効果的な取組みを広く普及させることを目的として、「かがわ食品ロス削減大賞」を初めて実施した。
家庭部門には180点、企業・団体部門には4点が応募、環境森林部長賞(大賞)及びたるる賞(優秀賞)に決定し、令和3年3月30日に表彰式を開催した。
家庭部門では個人の大賞1点、優秀賞5点が選ばれ、それぞれ応募者が受賞した。一方、企業・団体部門で受賞したのは以下の団体と企業。
香川県では令和元年10月に施行された食品ロス削減推進法に基づき、県内での食品ロスの削減を総合的かつ計画的に推進するため、2021年度から五ヶ年計画での香川県食品ロス削減推進計画を策定した。これまでも食品ロスの削減に取り組んできたところで、今後はこの計画に基づき、事業者、消費者、行政、関係団体等の多様な主体が連携・協働して、県の現状や特性に応じた取組みを実施しながら、食品ロスの削減をより一層推進するという方針を掲げており、地元企業でも更なる取組みが求められていると言える。来年の大賞受賞に向けた取り組みの一助にしていくために、今回の取り組みも参考にしたい。
企業・団体部門
環境森林部長賞(大賞)
高松市立仏生山小学校
取組内容 | 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休業からの再開後、給食の残菜が大幅に増加したため、給食委員会の児童が中心となって、給食時間の放送で残菜を減らすための呼びかけを行ったほか、残菜の写真を給食場前に掲示し、現状を視覚的に訴えました。 また、保護者向けに発行している食育だよりでは、家庭においても好き嫌いや食べ残しの改善に向けて話をしてもらうよう啓発しました。 栄養教諭を中心に、各学級や各御家庭の協力のもと、食べ物や食事作りに関わる人への感謝や、世界的課題である食品ロスの問題について重点的に指導を行った結果、取組開始以降は残菜が一気に減少しました。 |
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たるる賞(優秀賞)
(1)株式会社遊食房屋
取組内容 | 各店舗において、メニューやテーブルPOPを活用して、お客様に食品ロスの削減を呼びかけており、食べきれない量の注文は減少傾向です。会席やコース料理では、事前に苦手なものや食べられないものをお伺いして提供しています。 食べきれない場合は、店舗で販売しているドギーバッグでの持ち帰りを勧めており、ドギーバックの購入代金は公益財団法人日本ユニセフ協会に全額募金し、世界の子どもたちの命を守る活動にも協力しています。 |
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(2)株式会社フクシン
取組内容 | 環境にやさしい素材(再生ウール・再生ポリエステル)を100%使用し、製造過程でごみを出さないゼロゴミ編み立て法を確立したサステナブルブランド「ecuvo,」(エクボ)を立ち上げました。 その一環として、形の不揃い等による規格外のブルーベリーの実や食用サクラ、コーヒー豆のカス、赤カブの茎・葉の部分等の廃棄食材から抽出した染料で染めたオーガニックコットンを使用したサステナブルでファッショナブルなマスクを開発・販売しています。 この春から同様の染料で染めた手袋、アームカバー、靴下、スカーフ、ハラマキ、Tシャツ等を販売開始予定です。 |
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(3)株式会社四国総合研究所
取組内容 | 大部分が未利用のまま廃棄されていた柚子の果皮を有効活用するため、柚子の果皮から風味と有効成分を取り出して、粉末やペーストに加工する技術を開発し、粉末は食品メーカー等で、ペーストは飼料として利用されています。 また、レタスの切り口の変色(褐変)を防止する「レタぱっちR」を開発し、鮮度の劣化や外観の悪化を抑えることで、廃棄ロスの削減に貢献しているほか、香川県産レタスの市場評価の向上にも寄与しています。 |
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