昨年6月、一般向け(有料)の陽子線治療に関する広報・啓蒙・講演会等、がん患者向け(無料)の陽子線治療相談・医療機関紹介を行う「みんなの窓口 がん陽子線治療のコンシェルジュ」サービスを開始した、オフィスうえた(高松市中央町 植田康広代表)。
医療機関に所属していない組織による全国初の試みとして注目されたサービス。約1年間で多くの啓蒙機会を設けたほか、陽子線治療施設への紹介事例も増えてきたことから、全国展開を開始する。
がん治療には、手術療法、抗がん剤による化学療法、放射線療法がある。放射線療法は体内を通り抜ける性質を持つ電磁波で、『光子線』と呼ばれるX線やガンマ線をがん細胞に照射する治療法が一般的。
光子線とは別に、『粒子線』という水素や炭素の原子核を利用する放射線療法があり、『粒子線』は、水素を用いる『陽子線』、炭素を用いる『重粒子線』に分類される。
一般的なX線療法は他の器官・組織に障害を与えやすいが、陽子線療法はがん病巣のDNAへの照射率を高められるため治療効果が高く、周囲の正常組織への影響を軽減できることが認められている。
「がんは、治療方法により術後に大きな違いが出る。体に優しく、社会復帰に支障の少ない陽子線治療を、もっと広めたいと願いコンシェルジュを立ち上げた」と話す植田代表。
新たに、陽子線治療のポイントをまとめたピンク色のパンフレットも作成。香川県内から全国に順次掲示・配布エリアを広めていく。