県民の一体感を今こそ“地域スポーツの力”で醸成させたい⚾️  《かがわコラム》

 

日本の野球人気を支えていると言って過言ではない高校野球。今年はコロナウイルスの影響で開催が選抜出場校が一試合だけ夏に甲子園で戦ったのは記憶に新しい。特に卒業を控えた高校三年生には最後の出場チャンスとなったので無念な気持ちはどうしようもなかった。深紅の優勝旗に昨年の優勝校がむずばれることはなくなってしまった。果たして今年の高校野球は・・・。

 今から25年前の1995年、春夏連続出場を果たした観音寺中央高校(現観音寺総合高校)。

特に選抜は初出場ながらいきなり初優勝を飾るという快挙を起こし県民の度肝を抜いた。この年、日本では歴史的な出来事が近畿地方を襲った。

1月に起こった未曾有の大災害(阪神大震災)において西宮市にある阪神甲子園球場は揺れの中心地、まさに大震災の最大震度の場所で大きな被害が出た地域にある球場だったのである。一時は選抜退会の開催延期もいた仕方がないだろうといった空気もあった暗闇に、パッと明るい光をもたらす存在となった。

 四国大会の結果では出場3枠に対し、その3番手として選出されたにもかかわらず、甲子園では二回戦の東海大相模戦や、決勝での銚子商業戦を零封するという快挙で見事、優勝を勝ち取ったのである。惜しくも夏の甲子園は二回戦敗退をしたがこの年、香川県代表は甲子園という大舞台で輝きを放った。

 観音寺中央高校の初優勝を彷彿とさせる、良い意味で番狂わせを起こしての健闘を期待したい。

今、四国内では、人口が最も多く、私立と公立が切磋琢磨している愛媛県を除くと、残念ながら香川・高知・徳島のかつての「野球王国」は面影が失せてしまっている。

全国的には野球部や部員数が増えていると言われる中、甲子園の常連校で鳴らした四国の強豪は、

 全国よりも10年早く進行すると言う少子化の波をもろに受け、特に都市部以外での学校運営は厳しさを増す

部員数がギリギリでは部の存続がやっとで、選手間の競争レベルも相対的に下がる。思うに野球を地域で応援する風土が失いかけているのではないかと危惧される。

時折問題視される関西方面からの「野球留学生」でなんとかレベルが維持されているといった現状への危機感も強い。イザ、練習試合を行おうにも、遠征や他地域から強豪校を招聘したり日々、苦労を強いられるからだ。

古き良き時代、“おらが町から甲子園へ”ということが現実となることから、子どもからお年寄りまで、地域が一体となって声援を繰り広げ、高校野球を愛するムードが熟成された。

その後、大学やプロ入りし活躍すれば、更に選手個人のみならず出身校にも人気に拍車が掛かるという好循環を期待できたのである。

今、観音寺中央高校で初優勝時のチームで主将を務めていた土井裕介氏は、母校へ先生となって戻り、野球部の監督を務めているという。甲子園でのミラクル優勝で沸いた香川県勢をもう一度。甲子園は奇跡を起こす神様がいる場所、県民の願いだ。

変革を遂げつつあるバスケ界

野球人気に比べると、まだ歴史は始まったばかりという感がある日本のプロバスケットボールリーグ。国際バスケットボール連盟からの、国際資格停止という最後通告を受け、遅まきながら改革に乗り出すものの、全く不調に終わる。そこで体制を組み替え、荒療治に出た。

日本バスケットボール協会の会長に就任したのは、元サッカーJリーグ・チェアマンであった川渕三郎氏。氏によるドラスティックな改革断行で、わずか二ヶ月足らずで3部制による新リーグの所属チーム名を発表した。

危機感がなせる技だがトップに誰が収まるか、ヨソ者だからこその決断力が、急転直下の早業につながり日本のバスケットボール界の危機を救った。

我が香川県代表として名乗りを挙げた「高松ファイブアローズ(旧BJリーグ所属※現香川ファイブアローズ)は、新リーグの2部リーグ所属として頂点を目指すこととなった。

今般、あなぶき興産という心強いスポンサーを得たことが何よりも大きく、今後は、サンポート高松に整備が進む新県立アリーナの五千人収容のハコ整備に見合うだけの、集客力を身につけるべく魅力アップの施策が求められる。地域のバックアップも得て1部昇格も夢ではなくなるというストーリー展開が見えてくるはずだ。

もともと強いチームには五千人収容のホームアリーナ整備の条件を、川渕氏により一万人規模で整備する位に、観客動員を増やす意気込みを託された。

アメリカNBAの主力チームのホームアリーナは二万人収容規模が中心であるから、日本でもバスケ人気の上昇を捉えての戦略強化策ということ。近年の千葉ジェッツの快進撃は首都圏チームながらロールモデルになるであろう。

Jリーグで最も成功したと言われる新潟アルビレックスでは、人気が下降気味ながら、今でも一試合あたり二万五千名平均の観客数を稼ぐ。ちなみに新潟市の人口は約八十万人である。

 約四十二万人もいる高松市ならできる

今後は唯一のトップリーグ加盟球団として、多くの市民をファンに仕立て上げて地域挙げての盛り上げに発展をしていかなければならない。もちろん地元には独立リーグの野球チームで四国アイランドリーグplusに所属する「香川オリーブガイナーズ」球団がある。

観客数の減少に悩むも、昨シーズンには平成の三冠王として有名な元ソフトバンクホークスの松中氏をGMに招き、チーム運営のてこ入れを図った。NPB出身で引退後に野球に関わっていたいという元選手は沢山いるはずなので、今後もそうした有名な元選手が四国の地で若者達を鍛えてゆめを叶えるお手伝いをしてくれたなら苦しくつらい時代の今こそ地域スポーツの出番と言えるようになる。

 文化やスポーツを育て伸ばす風土がある地域は強いはずである。

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