すでに多くの女性たちが輝きを放っている四国 ☆ 起業する若者達にとって魅力ある地域へ

 安倍政権が積極的に推し進めてきたニッポン一億総活躍プラン。人口減少が進む日本において、労働力の確保は喫緊の問題であっただけに期待したし、日本が今後、生き残る道はこれしかないという想いもあった。そうした中で欧米諸国に比べて活躍度がまだ充分ではないのが女性の社会進出である。その活躍を阻害する要因を少しでも減らして、地域社会でもっと女性が活躍出来るような環境の整備をしていこうという目標が掲げられている。果たして本当の意味での女性が自由に職業を選択できるのだろうか?
結婚や出産で一時的に企業社会から離れることで、待遇や処遇の変化を無くする。と同時にジェンダーに関係なく、公平な出世競争を可能にする人事制度。それがなくてはいつまでも女性幹部、役員の数は増えていかない。女性の活躍の場を創り出すにはまず男性社会を変革していく。その上で女性社長の存在を高めていくことなのではなかろうか。社会変革にはまず経済社会からだ。

四国で活躍する女性社長の姿 

幸いにも帝国データバンク高松支店調べによる四国の女性社長分析では、四国管内の企業に占める女性社長の割合は、四国は全国平均よりも1.16ポイント高い値を示していて、全国を9つの地域に分けた中で比べても最も高い数値結果となっている。
県別で見ると地元、香川県は8.74%で10年前と比べて+2.47ポイントのアップとなった。四国内で一番高いのは徳島県で10.19%。これは青森県、沖縄県に続いて全国3位となっており、女性活躍県と言えよう。香川県は全国で10番目と高いほうであるが、この10年間の伸びでは全国で7番目の上昇幅とたいへん健闘している。
もう少しマクロで見ていこう。業種別での女性社長の割合は、なんと言っても不動産業が最も高く約2割を占めている。続いてサービス業の約13%、小売業の約11%となっている。10年前との比較で最も伸ばした業種は、サービス業、続いてその他業種、不動産業、運輸通信業、製造業の順だった。
これは全国と比べても同様に不動産業が最も高い割合を示している。ちなみに10年前との比較でサービス業が最も伸びたのも四国と全国が一緒の傾向であったのにも注目したい。

 四国の女性起業家はもっと増やせる

これを就任経緯別で見るとその実情が浮かび上がる。四国で最も高かったのは「同族継承」の63.5%(全国では38.5%)、次いで「創業者」25.4%(同41.5%)、一方で「内部昇格」は5.7%と全国の11.6%よりもかなり少ない。そして女性社長たちの平均年齢は63.1歳。全国は62.4歳。新任女性社長の平均年齢は55.2歳であった。
より細かい業種で見てみると、最も女性比率が高いのが「料亭」で45.45%、続いて「化粧品小売」が41.51%、「美容業」38.54%、以下「老人福祉事業」「生命保険媒介業」「貸家業」「医薬品卸」「婦人・子ども服小売」「出版業」「貸事務所業」「コーヒー・茶類卸」「貸衣装業」と続く。
現場で働く女性の割合が多い業界・業種に経営者も女性という共通点が見えてくる。
地元金融機関と公的な団体と組んだ、様々な起業支援では女性の積極参加が目立つようだ。結婚しても続けられるような自宅サロン的なビジネスから、女性ならではの感性が混じり合った新サービスまで、働き方改革が進むと自分のライフステージに沿ったプチ起業なども気軽に行える。そうした条件下で家庭を持って子どもが生まれたことで、社会システムの不備に果敢に挑戦する人も多く、その中で男性では気がつかないような穴場を補うビジネスも生まれる。

地元金融機関も女性の自立を促す、起業支援に乗り出す 

起業家の味方、日本政策金融公庫では育成支援として、女性や若者、シニアといったこれまで一般的に融資を受けづらい人への支援資金枠を設けている。香川県でも「かがわ創業塾」を産業支援財団を通じて開催し、トータルで創業をサポートする。
それを補完する様々な民間団体も出来つつある昨今である。
10年後には昔からある多くの職種がなくなってしまうのではという未来予測もある。「21世紀の産業革命」のまっただ中にあって、東京では為し得ないことを地方で実現する。
四国を香川をもっと女性が起業し易い地域にすることこそ、今後の地域が生き残る鍵になりうる。

他地域からも注目されるようなインキュべート施設になる

このことこそ、真の地域活性化への道筋を開くのではと思える世の中に次第になってきている。「地方には仕事がないから」と言わせない。四国で活躍する獣医師を育てる旗印で今治市に誘致した加計学園が一体どうなったか。特区優遇で多くの資金をつぎ込んでも、卒業生どころか入学生する四国出身者はほとんどいないといった状況である。他地域から引っ張ってくるという甘い予測ではなく、しっかりと四国出身者が四国のために働きたいという受け皿になって欲しい。

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