「世界でもっとも住みよい都市25選」「ヒト・モノ・コトが集まるまち」「クルーズ続々、ものどうにも止まらない!?」。とってもうらやましくなるような文言の数々が並ぶサイト。これは福岡市がコロナ禍前に開設した特設サイトに踊る文言の一部である。
人口が160万人を超えたのも予定より5年の早さというから、一体九州・福岡方面で何が起きている?
福岡市で増えているのが移住者であり若年層人口。そしてスタートアップを目指す起業家達である。実際、ベンチャーの開業率が最も高いエリアとして挙げられているのは東京や大阪の都心区部。地方都市なのにスタートアップ率が高さが、「日経ビジネス」が選ぶ活力のある都市ランキングで5位に。
この人手不足、人材不足の世の中で、福岡市の企業には多くの優秀な若者達が集まっていると言われる。
だから福岡のIT企業はこぞって東京で“福岡へ移住しよう”というキャンペーンイベントを開催する。最先端の人気IT企業が集まる福岡市は、現代の若者達のライフスタイルの延長線上で、ワクワクする面白い期待をさせてくれる。
ぁ若者に人気の業種の企業集積があり、充実したワーキングライフと共に、自然に恵まれ、アフターファイブでアウトドアも気軽に楽しめるコンパクトな環境の良さ。プライベートライフのバランスを取ることが都会と比べかんたんに出来るところというイメージ。
“子供の教育レベルのことを考えると、いきなりの田舎暮らしは家族にも受けれてもらえないが、福岡なら教育機関も沢山、刺激が多くありやりたい仕事にも就け、家庭生活も充実する”福岡ならば住みたいと思わせてくれる。現代の“ITを活用した社会変革に参加したい”という気質にヒットする街。
既に「増えているのは、選ばれているから。」として五年に一度の国勢調査の結果、福岡市は神戸市を抜いて第五位の人口になった。
福岡市は地下鉄で都心と空港がつながっており、飛行機を降りて30分以内で都心に立つことが出来る日本で数少ない大都市。おかげで滑走路一本しかない福岡空港は年中混雑、東京・大阪に続きついに「混雑空港指定」された。まもなく二本目の滑走路が出来ても足りないと言われる。
現在2本目の滑走路を建設しているが抜本的に混雑は解消しそうにない。逆説的に考えたら、これだけの条件が揃えば、東京や大阪でなくてもヒトは集まって来るという証明である。
もともと九州の玄関口、首都と呼ばれて、九州中からヒトを集めていた福岡市ではあるが、それでもこのように好循環サイクルへと変わったのはここ十年のこと。博多駅上に「JR博多シティ」が誕生したタイミングと重なる。
それまで“天神一極集中”と言われていた福岡市に、空港や港、高速道路にも近いもうひとつの核が出来たことで、ヒト・モノ・コトが複合的に西日本全域から集まる環境が整った。もはや天神だけにその責務を負わせるにはパンク寸前であったとも言える。博多駅周辺は山陽新幹線の博多開業を迎えた1970年代にオフィスビル街が整備された。これが今建て替えの時期に差し掛かってきている。「博多コネクティッド」
そして博多駅前の最新のオフィスビルには「LINE」のような世界の最先端企業が拠点を構え、旧来のオフィス街もその顔を一新される。
福岡市は1980年代に西部の百道地区を埋め立て、「アジア太平洋博覧会」を開催し起爆剤とした。そこは今、福岡ドームや福岡タワーを中心としたアジア各地からのオフィス業務地区と周辺の住宅街に成熟。
次の新都心として開発が進んでいる東部のアイランドシティ事業も軌道に乗り始めた。
今度は博多駅とアイランドシティの中間にあった九州大学が、福岡市郊外に移転し、広大な旧校地で新たなまちづくりが進展。ドミノのようにまちづくりの焦点が移動している。
これまで四国の中枢都市として発揮してきた。しかし瀬戸大橋の開通は、関西圏や中国圏に組み込まれることを意味し、相対的に力は低下。でも強みは残っているはずで、そこに福岡市が成長したきっかけを検証し、高松版として加味していけば光明は見えてくる。
その上で、例えば現在のサンポート高松に若者が集まるような最先端企業群や教育機関を誘致し、特区的な位置づけで広告塔の働きを与える。
災害の危険性が少ない。平地が多く地価も手頃で海も山も近い自然環境は抜群。中枢都市として官民ともに四国ではトップクラスの厚みを持ち、関西に近い地の利がある。岡山(本州)まで電車でもクルマでも一時間圏内だ。若者にうまくヒットする魅力や売り物を編集していくコト。
福岡市長は36歳で同市史上最年少、地元民放TV局の記者アナウンサー経験者という異色の経歴。スタートアップやITC、MICEなど福岡市の柱となる戦略を推進し、現在の若い都市を牽引する。情報発信力は流石元テレビ局員。
このほどアメリカのカジノ会社が福岡市への進出の意向を発表。自治体から誘致希望の意思表明がないにも関わらず、福岡市の可能性に賭けたいとのラブコールを企業側から受けるほど、国際的にも評価を上げてきている。