【前編】パンデミックで変わる世界に、学びは必要「リカレント教育」

パンデミックで変わる世界に、学びは必要

AIに仕事を奪われないスキルを身に着けたい、フルリモートで働ける仕事に就きたい、人生100年時代に長く活躍したいー

デジタル社会で活躍し続けるため、常に自身をアップグレードする学びの必要性は増すばかり。なかでも、社会人が生涯にわたって学びを続ける「リカレント教育」の重要性が指摘されています。

リカレント教育とは、就職した後に再び教育機関で学び直すことや、仕事と学習を繰り返す教育システムのことです。

その対象は全ての社会人。就業中の人はもちろん、お仕事のブランクがある人、定年退職した人、キャリアや年収アップのために転職を希望する人などさまざまです。

左から 香川大学大学院 出射隆文さん、四国リレーションズ代表 吉馴奈緒美さん

リカレント教育の選択肢は多種多様です。どのように実践していけばいいのでしょうか。

そこで、セカンドキャリアとして大学院に進学した元・高松高校校長の出射隆文さん、リカレント教育の必要性を唱える四国リレーションズ 吉馴奈緒美代表から、「リカレント教育」を実践するヒントを探ります。

※「かがわ経済レポート」2021年12月15日号のトップインタビュー記事を再編集し、前後編でお届けします。

セカンドステージの選択

出射さん 現役大学院生の頃に、地震学を研究していました。修了後、香川県で数学教員として36年間勤務、その間に県教育委員会で教育行政を14年間経験。

今年の3月まで高松高校で校長を務め、その翌月から香川大学大学院に進みました。

「セカンドステージとして、退職後何をするか」を考えたとき、大学院の修士課程で、中断していた研究者としての活動を再び始めようと思ったのです。

現在、防災全般について学習しながら、「災害に強いまちづくりはどう在るべきか」という大きなテーマを研究しており、その研究を深めるために教育者としてのキャリアも活かしつつ、大学院生の立場から高大連携に取り組み、若い世代とともに活動をしていきたいと考えております。

香川大学大学院工学研究科 安全システム建設工学専攻 出射 隆文さん
1960年、坂出市生まれ。1985年に京都大学理学研究科 地球物理学修了。香川県立高校で17年勤務後、県教委で県立高校の再編整備等の業務にあたる。高松養護学校校長、県教委高校教育課長、高松高校校長を歴任後、2021年より大学院進学。

吉馴さん 出射さんはまさにリカレント教育の実践者ですが、研究者への夢が叶ったところで、もう次の夢が広がっていますね。

私は子どもの成長に応じて転職を繰り返しました。自分のキャリアを引け目に感じて、時間を見つけては読書をしたり資格を取得していました。今思えば、多様な業種・職種で働いた経験も併せて、リカレント教育だったと言えるのかもしれません。

幼少期の夢はお母さんと先生になること。創業ほどなくして高校教育に携わることが出来て、この10月に実務家教員養成課程を修了しましたが、夢は叶ったところがスタートですね。

四国リレーションズ 吉馴 奈緒美 代表
1969年、福岡市生まれ。2013年7月創業。広報及び広告代理業、商品開発、イベント企画、社会人講師などを展開。(一社)香川経済同友会 人材育成委員会副委員長、 (一社)香川県中小企業家同友会 政策委員会副委員長。

続く。

インタビュー後半は2021年12月29(水)17時に公開予定です。

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