香川の若者と地元企業をつなぐ 3年目を迎えた探求学習プログラム

2021年、香川県内の若者と地域や企業をつなぐ探求学習プログラムを開発した、あなぶきグループ(高松市 穴吹忠嗣代表)大手前高松高校

3年目の今年も、探求学習の授業として導入している。実施対象は大手前丸亀高の1年生90名、大手前高松中学3年生・高校1年生253名。

大学進学者の多くが県外を選択し若者の流出に歯止めが掛からない。多くの若者は進学や就職時に、初めて自身のキャリアや働き方を考えるため、高校生の段階で香川での仕事を知る機会は皆無。大人とのコミュニティは学校や家庭に限定されるため情報も入手しにくい。

そこで、早期に香川県内の企業や、そこで働く大人と交流することで、中高生の価値観や解釈を広げ自身のありたい姿を考える機会を創出。また、将来の香川県の関係人口を増やし、雇用創出や地域活性に寄与する狙いで、同プログラムが誕生した。このビジネスモデルは、当時の大手前高松高生のアイデアだ。

プロジェクト名は「プロジェクトToBe」。

地元企業、自治体とともに、課題解決をおこなう約半年間(全15回)の集中型探求学習・キャリア教育プログラム。

大手前丸亀でのプログラムには自衛隊香川地方協力本部、四国化成建材・四国化成工業、善通寺市役所、日本農産、ファイブアローズが参加。大手前高松では、あなぶきメディカルケア、カマタマーレ讃岐、セーラー広告、タダノ、hito.tocoが参加している。 先ごろ大手前高松の授業に、参加5社の社員が訪問。会社概要や事業内容、企業理念、具体的な仕事内容などを生徒に発表。質疑も受け付けた。

 生徒は4人で1グループを構成。各社の現状を聞き、課題解決を考えたい企業をグループで決定。企業側の提示する自社の課題に対して、解決アイデアを出していく。

対する企業側は、生徒のアイデアを実現するためにどのようなアクションが必要か、何が必要か、考えられる障壁とその乗り越え方などを生徒にプレゼンする。

参加企業は、若手社員の仕事の棚卸、内省、成長に機会につながり、さらに課題解決へのヒントを得られるとありプログラムに期待。

学校側は「多くの生徒は、大学受験という意識が強く、進学後の先、つまり就職ということは見ていないように感じる。何のための進学かということをハッキリさせる機会になればと思う。

 効果として、総合型選抜、推薦型選抜で受験する生徒が増えてきている。これは進路意識が上がっているのだと分析している」と取り組みの効果を高く評価している。

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