有形文化財を守る人々、香川県三豊市

7月22日、文化庁の文化審議会(佐藤 信会長)は新たに32都道府県60市町村(区)の建造物を登録有形文化財(建造物)に登録するよう文部科学大臣に答申した。

父母ヶ浜、紫雲出山、荘内半島と急速に人気の高まった香川県三豊市。 7月の答申がおこなわれる前に、粟島海洋記念館(旧粟島会員学校)、下高瀬簡易郵便局が国の登録有形文化財に登録されている。

三豊市は、縄文時代からの記録が残されているが、長宗我部元親の侵攻により落城した仁尾城の歴史。丸亀藩、土佐藩から茶の取引を許可され栄えた江戸時代の痕跡が残る地域でもある。

今年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止になったが、例年9月中旬に開催される仁尾八朔人形まつりは、仁尾城落城が3月3日だったことから、その日にひな人形を飾り祝うことを避けたのがきっかけで始まった。

古い町並みが残る周辺には、現在も江戸末期からの建造物が残されている。古い個人宅を維持することは、非常に困難であろう。

三豊市には、文化財登録等への補助金政策もあるが、今年度おこなわれている登録への活動は、法人、個人の住宅等を地元の建築業者、一級建築士らが声を上げて残そうと働きかけている側面もある。

維持費等で危機的状況にある所有者の負担,悩みを登録文化財にすることで、文化庁等の指導、相談を受け、少しでも関わる機関、人を増やしていこうという考え。将来は物件ごとの経済的自立を目指し、将来的にも広く地域住民らが活用できるよう生き残りをかけて活動していかなければと、関係者らは話している。

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