【日本料理店】まんのう町に『看看亭』開亭  丸亀『永楽亭』の新店舗

 5月9日。青葉が風に揺れるまんのうの山間に、一軒の日本料理店がのれんを上げた。店の名は『看看亭』(まんのう町造田3242)。丸亀の老舗『永楽亭』(丸亀市城東町1―8―9)の亭主が、心新たに構えた予約制の美食処だ。

 周囲には山と田と、約200坪の庭とが拡がる緑豊かな立地。城下町の永楽亭とは打って変わって、四季折々の自然に抱かれながら茶を飲み、食を楽しめる。

 「名物の鰻を、最高の状態でお出ししたかった。そのために、鰻を一晩寝かせる井戸水のある場所を探していた」

 野原太亭主が、約5メートルの掘り抜き井戸を備えた古民家と出合ったのは7年前のこと。築年数130年の古き良き家。残せるものは残し、現代風の意匠も加え再生した。美しい骨組みを透かし見せるポリカーボネート板の屋根は、藁葺き屋根とは違ったモダンで明るい印象を与えてくれる。

 中へ入ると、庭を望むテーブルの間にいろりの間、さらに6畳の茶室が1室。いずれは茶会も催す予定だという。

 食事は2種類の松花堂弁当(4500円、6000円)と、肝吸い、香の物、デザートが付いた鰻丼(4500円、6000円)のみ。東京・日本橋で修行を積んだ亭主が作る鰻の蒲焼きは、ふんわりと蒸し上げてから焼く関東風。井戸水で寝かせることで、活鰻もより身に味が乗る。

    

 「『看々蠟月尽(みよみよろうげつをつくし)』という禅語がある。月日の流れは早く、あっという間に朧月、12月が訪れるという意味。人生の12月に差しかかった自分に、やり残したことはないかと問いかけ開いた店。四季を感じるこの環境で、唯一無二のひとときを過ごして貰えたら」

 営業時間は11時30分〜13時30分。2日前までの予約制。予約は2名以上、一日2組まで。

 問い合わせは☎070―8583―7274。

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