ちまたで話題の「注文に時間がかかるカフェ」〜 香川県での初開催をレポート

6月10日、徳島文理大学香川キャンパス(さぬき市志度1314-1)で、吃音がある若者が接客に挑戦するカフェが1日限定で開かれた。その名も「注文に時間がかかるカフェ香川」

吃音とは、話し言葉が滑らかに出ない発話障害の1つ。実は100人に1人いると言われている。これは「田中」という名字と同程度の割合だという。しかし、あまり知られておらず、特に10代や20代の若者にとっては、学校生活や就職活動などで大きな壁になっている。

     カフェの様子

このカフェは、吃音の当事者で東京都在住の奥村安莉沙さんが立ち上げ、2年前から全国で開催しているもので、香川では初開催。費用は主にクラウドファンディングで集めている。

      奥村さん

また、自身も当事者で、今回の開催の実行委員会の委員長である古市泰彦さんは、「吃音について正確に知ってほしい。10代や20代の方は進学や就職などで大変な苦労をしている。そうした若者の支援がしたい。そして、吃音を理由に夢を諦めないでほしい」と思いを話す。

    古市さん

この日は、兵庫県や徳島県などの高校生と大学生、合わせて4人が接客スタッフに挑戦し、県内外から、吃音で悩む当事者やその家族、興味があって来た人など1日で40人ほどの客が訪れた。

カフェではまず、「緊張していて吃音が出ているわけではないのでリラックスしてなどのアドバイスはしないでほしい」ことや「推測して代わりに言ったりせずに、言い終わるまで待ってほしい」ことなどを客にお願いしてから、注文を受けていた。

    注文を受ける前に説明する様子

その後、スタッフたちは、吃音に対して理解を深めてもらえるようなクイズを出したり、自身の経験を交えながら客と会話したりするなど、笑顔で積極的にコミュニケーションをとっていた。

    会話が弾んでいました。

岡山県から来た女子大学生は「小学校の教員を目指していて、吃音について正しい知識を持ちたくて来ました。吃音の方は話す事をあまり好んでいないのかなと思っていましたが、話したいという気持ちを伝えてもらって、私もたくさん話しかけていっぱい話していきたいと思いました」と話していた。

この日初めて接客に挑戦した徳島県内の大学に通う岡﨑由芽さんは「始めはすごく緊張しました。私は緊張している時に長文が言えず、必ずどこかで吃音が出るんですが、今日は吃音が出ながらも最後まで言い切ることが出来たので、それが自分の中で自信になりました」と話していた。

    接客する岡﨑さん

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