【香川県東かがわ市引田】德川家19代目当主が、醤油蔵かめびし18代目とトークショー。

 德川家康公を初代とし、德川宗家を継承する19代当主 德川家広氏(公益財団法人德川記念財団理事長)が先ごろ来県、日本で唯一、むしろ麹製法を守り続ける醤油藏かめびし(東かがわ市)の岡田佳織18代当主とトークショーを開いた。

 参加者は、映像でむしろ麹製法を学習ののち、むしろ麹室ともろみ蔵を見学、「継承することの大切さ」をテーマにしたトークショーに進んだ。

岡田当主は「もともと西日本はむしろ麹製法、東日本はもろ蓋製法だったが、むしろ麹は当社だけとなった。むしろ麹で育てた麹は、機械製とは全く違う。その、むしろ麹法を残したい、続けて行くのが私の使命。醸造期間の長い醤油は甘さ、美味さ、塩味、酸味、苦みのバランスが変わっていくのがおもしろい」と話す。一方で、設備の維持、若い人がやりたがらないのが悩みだと明かした。

 德川当主は「かめびしの醤油は濃厚な味が印象的。

 高度経済成長以降、機械化・自動化が進み、今も製法を守り続けていることに関心した。同じ工法を続けていることが付加価値となる。

 かめびし醤油はこの町でなければ作れないもの。シャンパーニュ地方で作ったものだけシャンペンと呼ばれるように、醤油ではなく地名から「引田」と呼んでも良いのではないか。

 職人技はAI化できない。日本で消費が減っていても、世界はそうではない。うま味は普遍的。うま味を使った調味料、醤油は西洋料理にも使える。世界の一流シェフがかめびし醤油を使って料理する動画を世界中に配信し、違いを見せていく必要もあるのではないか」と岡田当主に提案した。

 夜は会場を料亭二蝶(高松市)に移し、家広当主を囲む懇親会が開かれた。

昼夜ともに限られた定員のため、岡田当主ほか関係者が知人だけに告知。先着限定で募集し、早々に定員を超える申込があった。

 「昨夏、経営者の友人から紹介されたのが、德川家広当主の特使を務める女性。縁あって德川当主と面会し、講演を聞く機会に恵まれ、物腰柔らかく、ユーモアたっぷりの話に感動した」と話す岡田当主。

香川を訪ねた折には、かめびし屋に立ち寄りたいという希望があり、今回のトークショー、懇親会が実現した。

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