膝の痛みにアプローチ 新たな再生治療法提供へ【高松ひざ関節症専門クリニック】

変形性膝関節症の治療に特化したクリニックとして、昨年4月に開院した高松ひざ関節症専門クリニック(高松市花ノ宮町一—九—二二 三上 浩院長)では、このほど患者自身の脂肪組織から抽出した幹細胞を培養し投与する、脂肪由来幹細胞治療の提供を開始した。

組織の修復・再生能力に優れる脂肪由来幹細胞を使った治療法は、従来の手術療法や保存療法よりも高い効果が期待でき、かつ患者本人の細胞を使用するため高い安全性が見込まれるという。治療の際は、まず腹部の脂肪を特殊な生検針で米粒5個ほど採取。そこから抽出した幹細胞を、提携先の施設で約1億個まで培養し膝へ注射する。

変形性膝関節症の罹患者の多くは、50代以上の女性だ。「女性は家事等で膝を使う機会が多く、膝の軟骨が傷つきやすい」と三上院長は指摘する。

同院では幹細胞治療を開始する以前から、同じ再生治療法に分類されるAPS治療に注力してきた。APS治療は次世代PRP療法と言われており、患者の血液から分離した多血小板溶液(PRP)に、更に遠心分離をかけて抽出した自己タンパク質溶液(APS)を膝へ注射するもので、幹細胞治療と同様、安全性が高いとされる。同院は今後、APS治療と幹細胞治療の両治療を専門クリニックとして実践する方針。

「再生治療法は、基礎疾患があり手術が難しい方や手術が怖い方、仕事や家庭の都合で入院が難しい方などに向けた “第三の治療法”。近年に入り、ようやく国内でも認められつつある。患者自身の血液と脂肪を利用するために、その効果は個人差があるが、まずはこういう治療法があるということを知って頂きたい」

三上院長は、拠点とする徳島県の医療機関で既に年間150件以上の再生治療法の症例に当たっており、高松市の同院でも約50件の診療実績を上げている。

同院は完全予約制で、火・金曜のみ診療。

電話〇八七—八〇二—三三六七

タイトルとURLをコピーしました