【吃音についての理解を深めよう】教員目指す大学生に 吃音の出前講座

7月下旬、話し言葉が滑らかに出ない発話障害の「吃音」について理解を深めてもらおうと、当事者や吃音のある子どもの保護者などでつくるグループが香川大学で吃音の出前講座をおこなった。講座には、卒業後、小学校などの教員になることを目指している教育学部の学生約60人が参加した。

まず最初に、吃音のある人が学校生活で困った事などを話すVTRを見たあとに、学生は8つのグループに分かれ、主催者の吃音当事者や保護者から実際に話を聞くグループワークをおこなった。当事者から学校生活で一番大変だったのは教科書を声に出して音読する本読みと人前での発表だったことなどを聞いたグループでは、学生は、「吃音がある子どもにとって、クラスがどのような雰囲気だったら話しやすいのか」や「クラスに吃音がある子どもがいた場合、教員として全員にそのことを説明した方が良いのか」などの質問をしていた。

それに対し、当事者は、吃音の症状は個人差が非常に大きいことを説明した上で、「緊張して吃音が出ているわけではないので、緊張しなくていいよ、リラックスしてなどのアドバイスは逆にプレッシャーになる場合が多い、話すまで待ってもらうようにすると良い」といったことや「クラスでどのように対応してほしいかを本人や保護者に確認した上で対応することが大事だと思う」などと答え、周囲の人の応援や理解が重要である事などを伝えていた。学生は熱心に話を聞き、吃音についての理解を深めていた。

小学校教員を目指す男子大学生は「当事者の思いを聞くのは初めてです。吃音は緊張が原因とは違うというのが特に印象的でした。教員になった時に、子どもとしっかり話し合った上で、どうしたいかという意志を尊重しながら、全力でサポートすることが必要だと思います」などと話していた。

また、自身も吃音当事者で、主催者代表の古市泰彦さんは「みなさんすごく熱心でした。将来子どもたちと接する皆さんですので、現場で吃音の子どもと関わることになった時などには、今日の話を思い出してもらって支援して頂ければと思います」などと話していた。

古市さんたち主催グループは今後もこうした活動を継続していくこととしている。

グループワークの様子、左側の男性が古市さん。

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