小豆島農村歌舞伎が国の重要無形民俗文化財の指定を受けた。
小豆島農村歌舞伎は、肥土山農村歌舞伎保存会、中山農村歌舞伎保存会の2団体で構成され、肥土山は5月3日、中山は10月第二日曜日(今年は9月29日予定)に毎年、肥土山離宮八幡神社、春日神社へ歌舞伎奉納をおこなっている。
肥土山の舞台は1975年に、中山は1987年に国指定重要有形民俗文化財に指定されており、有形、無形共に国の重要民俗文化財に指定されたのは全国で初となる。
役者、太夫、裏方の全てを地元住民が担い、地域の子ども達も大人に混ざり、本番に向け練習に勤しんでいる。元々、上方との往来が頻繁であった小豆島では、上方歌舞伎の影響を受け、また地域的特色も受け継いでおり、芸能の変換過程を示す貴重な存在である。
明治頃の最盛期には、掛け小屋、神社、寺院等での上演が盛んで、島内150ケ所で歌舞伎上演があった。今も、島内には農村歌舞伎舞台跡が残る場所がある。
中山自治会(井口平治会長)は、クラウドファンディングで1216万円を集め、4月にお披露目式を開催した。
晴天のなか、春日神社での神事、餅つきがおこなれ、井口会長は「伝統を守り続けている事を全国に知って頂きたいとクラファンに挑戦した。今後も更に力一杯守っていく」と来場者に感謝を述べた。
5月中旬以降は、中山では千枚田と呼ばれる棚田の田植えが終わり、青々とした 棚田が見られる。今年も7月上旬には、肥土山と中山で虫送りの伝統行事の開催も予定されている。