9月10日に「さぬきの夢」推進協議会は、2回目となる県オリジナル小麦の新品種「さぬきの夢2023」のテスト製粉を吉原食糧(株)(坂出市 吉原良一社長)でおこなった。1992年に県農業試験場で開発が始まった「さぬきの夢2023」は、麺のコシを左右するグルテンの質等を改良し、(一財)日本穀物検定協会においてAランク評価を受けている。
吉原食糧では、他の麦と混ざらないよう配慮し、300〜350袋(1袋25㎏)を製造。一粒の小麦に対し55段下の工程を経て、タンパク質も多く白い滑らかな小麦粉になる。吉原社長は「段階を分けての粉砕や篩にかける工程はオーストラリア産小麦とはやり方も変わる。袋詰め一つとっても、きめ細かく詰まりやすいため工夫や技術が内麦には必要」と今回のテスト製粉での感想を述べ、今後は製麺業者とも話し合い製粉が適正であったかを調整していく。
テスト製粉に先立って9月5日には、県農業生産流通課と本場さぬきうどん協同組合(香川隆昭理事長)が開催する「さぬきの夢」うどん教室が三豊市立吉津小学校(三崎彰夫校長)で開催され、10月2日には、高松市立第一小学校、中学校でも開催された。使用した小麦は新品種の「さぬきの夢2023」。この教室は、2012年から始まり今年13年目を迎える。
さぬきうどんの歴史は1200年前からとも言われ、最も古い記録は約300年前の元禄時代(1677年〜1703年)の「金毘羅祭礼図」(屏風絵)に3軒のうどん屋が描かれている。
現在ほとんどのうどんは外国産小麦を使用しているなか、1991年から製麺業者、消費者からの声を受け2000年に「さぬきの夢2000」が誕生。品種の弱点を改良し2009、20023と改良が続けられている。県では、2回のテスト製粉を経て、次年度から県内100ヘクタールでの生産を開始し、2026年度には900ヘクタール、全面切替となる2027年度には県全域2500ヘクタールに「さぬきの夢2023」の導入を目指し、早期実用化に取り組んでいく。