外資系の高級ホテルの登場が待たれる香川県高松市の現状🏩  《かがわコラム》

一昨年、昨年の〝讃岐路〟は多くの観光イベントが予定されていたが、一連のコロナ禍でほとんど流れてしまい残念でならない。国際線の運航がされていない今、外国人の来訪も皆無となっている。ぜひ今年には多くの県外、国外からの観光客が来られることを望みたい。高松他香川県内に一泊はしていただき、夜の街などにも繰り出していただくことで、香川・高松の夜も体験して欲しい。

その際に利用する宿泊施設のレベルはその土地を印象づける重要なファクターとなる。国際都市を標榜するのなら、やはり国際基準のホテルがないと万全とはいいがたいのは言うまでもないところ。
外国人観光客誘致に力を入れていた日本には、5年くらい前にはまだ少なかったこうした外資系の国際ホテルの出店がコロナ禍を境にして何故か止まらなくなった。

 

契機となった仙台市の東北一高い森ビルが開発した仙台トラストシティ

 

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「ウェスティンホテル仙台」の登場が仙台市をMICE都市の上位に

それまで国際会議の開催都市としては下位にあった仙台市が、国際会議の誘致に効果を発揮しているホテルがある。2010年に市内のホテルで最もグレードの高いホテルで、平均客室面積が約43平米ある。スィートルームが複数ある他、エグゼクティブフロアが2フロア完備。部屋数は約三百室。もちろん国際会議の受け入れ機能があり、東北大学があり学術会議の誘致に有利で、国際会議の誘致に積極的に努めている仙台市などが誘致に動いていたようだ。

それまでの仙台市には駅前にあるJR東日本系の「ホテルメトロポリタン仙台」が代表的なシティホテル。経済界が主導して作った当時は最高級と目された「ホテル仙台プラザ」は、老朽化もあり残念なことに数年前に閉館した。「仙台東急ホテル」は東日本大震災で建物が損傷を受けて、そのまま閉館。グレードや部屋数で街を代表するシティホテルが一気に入れ替わった印象となった。

仙台市はイベント過多のホテル進出ラッシュで顔ぶれも入れ替わっていた

どちらかと言えばビジネス系のホテルばかりが目につく街の中で、老舗の伝統と格式を持つ「仙台ホテル」は、老朽化したため売却され解体された。
現在、仙台でシティホテルと呼べるのは、東武ホテル系の「仙台国際ホテル」や、郊外には「仙台ロイヤルパークホテル」等があるが規模が小さく、大規模な国際会議を開くにはキャパシティやグレードの面で物足りない状況が長年続いていた。

既存のシティーホテルが競争力を高めるため、改装や従業員の再教育に力を入れていたが、そこへ突如として現れた外資系の最高級大型ホテルの登場。街一番の複合施設内で施設もサービスも世界的。別格の参入は地元業界は戦々恐々となったのは想像に難くない。

MICE誘致に強力な援軍となるのが外資系ホテルの立地

国際会議場がある仙台国際センターや、東北大学を中心とする各種学会の開催など、MICE誘致には好条件が揃う。国際会議は多いのだが、VIPクラスの外国人が満足するホテルがなかったことで逃していた可能性があった。外資系高級ホテルがあることは追い風となり、地元財界などは一様に歓迎している。外資系ホテルのネットワークを使い、国際会議を誘致することも可能になったからだ。

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地下鉄駅直結の仙台国際センター 

また世界的ネットワークを持つ外資ホテルの参入は、国際的な会議都市に仙台市が入ることとなりそれ自体の知名度アップにもつながり、インバウンドも間違いなく増え、街の格が上がったとも言えよう。そこからの国際会議件数はうなぎのぼり。

 

コロナ禍でも三大都市と北海道や沖縄は外資系ホテルのラッシュ

また既存のホテルを名称だけ変えた外資系ホテルもありそのレベルも様々だ。名前に惹かれて泊まると期待はずれでがっくりくることもあったりする。
しかしまだ地方ではブランドステータスは高い。国際的知名度の高い広島市でも、駅前にシェラトングランドホテルが進出し、すっかり外国人のビジネスや観光での滞在で重宝される。現在、ヒルトンホテルが新たに市街地に建設中で、これがオープンするときには、世界的にも新たな話題を提供することだろう。

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 ヒルトン広島ホテル完成予想パース

広島市にはすでに国内有名シティホテルチェーンが、複数あるので大型の会議誘致は今後更に進むはずである。サミット開催も立候補都市となっている。

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JRホテルクレメント高松とクレメントIN

国際会議の誘致で活躍するシティホテルの数の優位

高松市のシティホテルはクレメントホテルを別格にすれば、リーガホテルゼスト高松くらい。あと和風旅館の花樹海はグレードが高い。国際会議に参加されたVIPの宿泊先には必ずスイートルームが複数、それも出来れば別のホテルで必要となる。国ごとにホテルを分ける必要が出てくるケースだ。

お隣の松山市は全日空ホテルがシティホテルの代表格となっているが、他にも道後温泉にレベルの高いホテルが複数あるので、海外VIPの宿泊に困らない。

MICE誘致をする上で国際チェーンの存在感は大きい。ホテルのほうでも各団体に働きかけを行って、誘致の後押しを是非、自分のホテルで開催をとプッシュする。近年、外資系の各ホテルチェーンはメインブランドではなく、テーマ性のあるサブブランドの日本展開をかなり始めている。サンポート高松のB2街区への国際ホテルの誘致プロジェクトへの応募としてはそうしたサブブランドホテルの誘致なら可能ではないか。是非期待したい。

(まとめ)国際会議の誘致には国際的な評価を持つ外資系ホテルが大きい存在感。仙台市が好例。高松市には国際チェーンが現状ないので誘致を進めて頂きたい。ちょうどサンポート高松の県有地の事業募集が始まっているほか、遊休地となっている県立中央病院跡地(番町)が立地的には申し分ないと言えそう。

 

 

 

 

 

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