日本では人が自然に集まる広場は駅前広場くらい
パブリックスペースとは民間が持つ空地なども合わせて呼ぶという考え方もある。
文化的生活の必須アイテムと考えると、美術館や博物館といったハコモノだけでなく、屋外空間として広場も街の個性がそこに表現されていなければならない。そして何よりも日頃から広場や公園を最大限に楽しむという文化が浸透し、そこでひとときを過ごすことがその市民の楽しみになる場所である。
広場文化には長年乏しかった日本では、かつて買い物公園の整備といった取組も旭川市など一部地域でおこなったものの、その広がりは局所的で終わった。歩行者天国の発展系のような商店街のアーケード下が広場の役目を果たしているのかもしれないが、そこはあくまでも道路であり通路である。イベントは厳しく規制される。
公共空間は常に規制とのせめぎ合い。オープンカフェなど欧米では当たり前の光景も日本では規制緩和が前提。道路占有を特例で解除に至る社会実験が行われてからとなる。
(丸亀町ドーム=周囲の商店をセットバック円周内を私有地にイベント広場)
国土交通省で官民連携事業に「資本のリサイクル」という概念で民間事業者の参画を呼びかける。それに沿って法律も改正されたり、指定管理制度の導入で主にハコモノと呼ばれるホールや会館、アリーナーなどを民間活力で導入。今注目されはじめているのは主に跡地整備や公有地の活用という屋外施設。
パークーPFI=公募設置管理制度という名のマジック
下の写真のスターバックスは世界で最も美しい店舗として有名になった。それにつれ、この富岩運河冠水公園(富山市)自体の存在感も外へ発信しれているのだ。
富山市
高松の中心部では商店街が途中に広場を造り、活用されているのは注目される取組みである。週末の商店街では様々なイベントが広場で展開されていて、人々の楽しむ姿がある。
公園は単に人々に癒しをもたらす場所ではなく、人々とのコミニティを創造する場所へと変化している。またそこに“稼ぐ公園”という発想も加わり、質的な充実も図られている。防災、レクリエーション、にぎわいの場として都会生活にはなくてはならない大事な場所として再確認。どちらにしても私たち人の暮らしにはなくてはならないピースなのである。
ところで高松市の中心部にこうした公園が少ないのは何故か?大きな公園は車で行く必要のある郊外に点在している。現在、中央公園の前にはタワーマンションが建築中だが、一番の売りはパークフロントという点。都市生活者にとりまとまった広さの公園の存在は生活の潤いのみならずなら、資産価値にまで影響を与える。