LoRaWANネットワークとセンサーを活用した見守り地図サービスを開発  Geoloniaが男木島にて実証実験

男木島は香川県高松市の北に位置し、高松市の行政区に属する、瀬戸内海に浮かぶ人口約150人。

瀬戸芸で一躍有名になった島の全周は約7kmという小さな島。過疎高齢化が進む島において、2014年には有限会社ケノヒの福井大和氏らによる移住活動によって子どもが増えて休校になっていた小中学校が開校するという快挙が実現。近年は子育て世代の移住先として注目を集めており、移住者が島の人口の3割を超えるまでとなった“奇跡の島”。

しかし、いまだ人口の60%を高齢者が占める現状から、今後も続く過疎化と高齢化を少しでも防ぐために、高齢者にも移住者にも暮らしやすい島としての仕組みづくりが急務となっている。

移住を促進するとともに、高齢者世帯が永く島に住める環境を構築し、人口減少のカーブを緩やかにして、30年後の世代が男木島で暮らせるための基盤作りを目指して立ち上がったのが、「男木島スマート交流プロジェクト」

本プロジェクトでは男木島への移住定住を推進する有限会社ケノヒのほか、COOの西川伸一が自ら在住しているGeolonia、NTTドコモ四国支社、高松市が参画し、IoTを活用して男木島の課題を解決する実証調査を実施するもの。

実証調査では、「地域の担い手不足により、高齢者見守り等の負担が特定の人へ重なる」、「塾・習い事などの学習環境の制限、進学に合わせて島を離れることから子育て世帯の定着が難しい」といった2つの課題解決目標に設定した。

その中でGeoloniaでは自社の持つ地図技術とノウハウを活用して、「高齢者の見守りを中心とした小さな不便や地域の担い手が不足」という課題に取り組みを行う。

具体的には、長距離無線通信方式として知られる「LPWA」の1つである「LoRaWAN」ネットワークを活用。島にLoRaWANゲートウェイを設置し、高齢者にセンサーを持たせて見守りを行うほか、センサーで得られた位置データを地図情報に反映することで、島から離れた家族にも現況を伝える環境を構築するというもの。

この男木島スマート交流プロジェクトは2021年9月から2022年1月までの期間に実証調査を実施する。

Geoloniaでは本プロジェクト完了後もLoRaWANネットワークの引き継ぎを行い、センサーや各種アプリケーションの継続サポートが可能になる状態を保つことで、引き続き男木島での実験や活用、発信を進めていって、男木島だけでなく高松市や日本の過疎地域に貢献していきたい意向を持つ。

(株)Geolonia(東京都文京区 宮内隆行社長)は、位置情報基盤を通じて、社会が抱える様々な課題を解決できる企業を目指す、位置情報テクノロジーを扱うスタートアップ。IoT、スマートシティーなど、国、自治体、企業のDXが進むにつれて重要な「地図」「地理空間情報」「ロケーションデータ」の分野で、ウェブ地図提供事業、位置情報開発支援事業、ロケーションプラットフォーム事業を展開している。

■スマートアイランドに関する情報については、以下の国土交通省ホームページを参照。

【スマートアイランド特設HP】

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