《増田鐵工所》県内初の5軸加工機を導入 多様な分野への進出に意欲

㈱増田鐵工所(丸亀市川西町南270 増田敬明社長)はこの度、本社向かい側に新工場(鉄骨一階建て・延床面積119.48㎡)を設立。これに合わせて5軸加工機を導入し、外注に依存しない溶接・加工により、素早く信頼性の高い資材をワンストップで製造できる体制を実現した。

同社が導入したのは、㈱牧野フライス(東京都)の汎用性の高い5軸加工機「a500Z」。同加工機の導入は、県内の鉄工所では初となる。

a500Zは、最高レベルの性能と信頼性を持つ4軸横形マシニングセンタ「a1nx」シリーズをベースに、自社製Z軸傾斜テーブルを組み込んで制作されたもの。

従来の横形マシニングセンタでイケールを使用する場合、上方位置の加工では剛性不足により切削条件を下げることがあった。本機では、傾斜テーブルとスラントベッドの組み合わせで、上方位置であっても高い切削条件での加工が可能となった。

アルミニウムの試作品、油圧・空圧バルブ、チタンの航空機部品などの加工を対象に、複雑化している部品形状の課題に応えられると注目を集めている。

一方で、金属材料は加工時に温度変化により寸歩の伸縮が生じやすいため、温度管理が重要とされている。

新工場では、24時間体制で21度での温度管理を行い、一定の環境で加工、検査を行うことで品質を保っている。

「今後は、航空機や半導体など多種多様に用いられている〝アルミ〟の溶接・加工をはじめ、多様な分野に踏み込みながら顧客の開拓をしていきたい(増田社長)」

同社は76周年を迎えた鉄工所で、刃物の鍛冶・機械器具などの金属補修を行っていた増田社長の祖父が創業。父の等氏が二代目となった昭和38年以降は建築物向け鉄鋼など大型資材の溶接が主流となった。

現在は体育器具の鋼材、船舶のパイプ支持部材、ダンプカーの庇部分など小型の溶接部材が主となっている。

2015年には四国初のレーザー溶接機「LWI Vフレックス150W」を導入し、金型補修など、精密分野での溶接ニーズの獲得にも乗り出し、事業領域の拡大を図る。

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