四国そのものが宝の山 〜ウイズコロナ時代の観光の考察〜🗾

日本政府観光局、観光庁が発表の昨年上半期までの訪日外国人(インバウンド)の動向によると、相変わらずの大阪府が訪問率でトップ、続いて東京都、千葉県、京都府の東名阪を繋ぐ“ゴールデンルート”沿線が相変わらず。

訪問率とは政府観光局が主要国際空港・港で外国人旅行者にヒヤリングした生の声を結果にまとめたものというので信頼できる。“YOUは何しに?”

京都までが訪問率で30以上となるが、次の奈良県は一気に9・5まで落ちる。香川県はどうかというと「1」である。外国人を良く見るようになったと言ってもまだ上位と格差は大きい。逆に言うとそれだけの可能性があるということ。
飽和状態となった上位の都道府県には初めて日本を訪れる人々も多くいるから、二度目ではもっと人の少ない地域へというリピーターは必ずいるであろう。そのときにどういった判断基準で行き先を選ぶのだろうか。

東京や大阪を観光する際に目についた観光パンフレットなどの印刷物や四国物産市、PR動画等を見て印象が残ったからというケースもあることだろう。

今は同じ国を旅する観光客同士がSNSへの情報の存在

感動した場所や体験を、本人がその場で情報をリアルタイムで発進すれば、早ければ近くにいる人ならすぐに現場を訪れることも可能だ。

多くの観光客の情報に触れることで、次はそこへ行きたいという気持ちが強くなる。日本にいる今なら、情報をより収集し易く、次ぎに訪れる時の下調べという意味合いも出てくる。

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徳島県が前年同期比の伸び率が314%という脅威の数字を示している。訪問率は0・3なので、香川県(1)からみると少ないが、その牽引役はアレックス・カー氏が取り組んだゲストハウス「篪庵」を訪れる欧米からの観光客ではないかと思う。
そして次のターゲットを香港に据えて、キャンペーン活動を行った結果、今では香港人の比率がトップになったのが三好市である。

外国人観光客数は過去五年のスパンで見ると5倍の伸び

を示している。先に人気となった岐阜県白川村に対して、西の三好市とも言える注目度だ。

山の斜面に点在する日本家屋で頂く祖谷そばや山菜料理、ジビエ料理などは、素朴で囲炉裏端で食すと得難い日本体験となる。日本人もあまり経験がない田舎生活に新しさを感じている。

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こうした現象は海外のメディアに興味を持ってもらい易い。今度はそうしたレポートを通して、三好市の名が一躍海外に広められる好循環。そして近くの高松空港に香港や台湾便が開設されたことも追い風となっていることは言うまでもない。徳島空港にもついに香港路線が開設されたのは当然の結果。

開発から取り残された自然が魅力

第5位の奈良県も、一時は京都や大阪の日帰り観光都市と揶揄されたこともあるが、市内には新設の宿泊施設も急速に整い始めていて、斑鳩の里などの郊外の田園風景も他にはないもの。
また吉野の山深い山間地が注目されてきたのも上位に名が連ねられる理由だろう。LCCの就航で最も外国人観光客が伸びた関西空港が近くにあればこそ、気軽にこうした場所でも足を伸ばせるエリアになってしまう強みも。

県全体をあれもこれもと売り込むのではなく、ターゲットとする外国人に喜んでもらえそうなスポットを絞り込んで、それも国別に場所を変えるくらいのマーケティングをすることで、よりターゲットに刺さるアピールをしっかりと効率よくすることも大事。あれもこれもでは焦点がぼやけてしまう。
徳島県のように四国の玄関口の鳴門・徳島エリアではなく、最も奥に位置し、交通の便も決して良くないいわば秘境エリアの三好市周辺が一番の人気となった例があるからだ。

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遠くから訪れる外国人は少々の距離ならそんなに問題なく足を伸ばしてくれる。いやその行動パターンを見ていると、日本人からしたらそんなところまでと思える場所にも軽々と訪れてしまう行動力はびっくりさせられる。

 日本人に比べたら数週間以上の長期休暇で訪れている人がほとんどなので、日本人の感覚でここまで足を伸ばしてもらう時間はないのでは、と勝手に想像するのではなく、しっかりとこの場所に来て頂いたならこんな体験やこんな風景を見ることが出来るという的を絞った情報発信が役に立つのだ。

アフターコロナを見据えた戦略も必要

香川県人にはピンと来ないが、県境を一歩越えると「限界集落」という言葉が、現実味を帯びるほど過疎化の波が押し寄せ地域の元気を奪っている。

そうした中で住民の人口以上の外国人が来るようになること、のインパクトは大きく素晴らしい現象なのである。地域のお年寄りの生き甲斐になっている話もよく聴く。

四国は山深い。そして瀬戸内側と太平洋側は全く違う顔を魅せる神秘の土地。その中間地帯には、瀬戸内沿岸ののどかな平野部の景色とはまるで異なる険しい山の暮らしが住民には普通にある。そして高知県はこの調査(訪問率)で最も下位に位置している。四国山地で隔てられた高知県、それこそが観光資源となりうるのがインバウンド観光の面白さ、素晴らしさなのである。

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