香川県が世界に誇る地質構造から地元愛を育む 東かがわ市ジオサイトクル—ズ

東かがわ市(上村一郎市長)では、ジオサイトクルーズを市内中学生に向けておこなっている。今年2回目となったクルーズには、引田中学校2年生29人が乗船した。教育総務課の教育連携コーディネーターを務める泉谷俊朗氏が、世界的価値のある自然遺産、鹿浦越のランプロファイヤ岩脈などを案内した。

東かがわ市の海域には、約9千万年前の瀬戸内花崗岩形成、1400万年の瀬戸内造山運動など火山活動の様子を見ることが出来る場所が多く残されている。絹島、丸亀島の柱状節理は、花崗岩に貫入した玄武岩が冷えて固まる際に割れた様子が見られ、国の天然記念物となっている。特に横向きの柱状節理は珍しい。

鹿浦越のランプロファイヤ岩脈は、冷えた花崗岩に、後から入り込んだ溶岩が入り、花崗岩の白と煌斑岩の黒が縞模様に残されており、これほどはっきりと観察できる岩脈は世界でも稀有な場所となっている。こちらも国の天然記念物に指定。引田不整合と名付けられた花崗岩の上に和泉層群の蓄積岩などを船上から見学した。また、普段は見慣れている街並みを海から見て、長く続く砂浜などを、県内でも他地域では珍しいと説明を受けていた。

市では、この体験を通し、地元の地質構造等を知ることで、地域を大切に思い、故郷を誇りに思う気持ちを育もうと活動している。中学校を卒業後に市外に進学等する生徒もいるため、学校行事として全員参加を目指している。

 

参加した生徒からは、「ハマチで有名なだけだと思っていた」、「世界的に有名なランプロファイヤを初めて知った。進学後や大人になってから他地域の友人に勧めたい」と生まれ育った地域への発見を語ってくれた。

同様のジオサイトクルーズは、NPO法人東かがわ観光船協会が引田港発着で、4月〜9月の土日祝(雨天中止)で開催している。約2時間のコースで、中学生以上4000円、小学生2000円で1週間前までに予約必須。

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