【M&A】どうなる?四国の流通業界地図  〜四国を代表するスーパーフジとイオングループが経営統合へ〜

新しい月9月は始まった1日の夕刻、ニュースサイトに一斉にのぼった記事

「フジとイオングループのマックスバリュ西日本が経営統合へ」

四国の流通関係者にとっては驚きを持って迎えられた大ニュースが駆け巡った。

 

 

2018年にフジとイオンが資本業務提携を結んだというニュースを聞いた時も間違いなく驚いたのだが、フジの株式の15%を持つに過ぎなかった。あれから3年を経て、両社の関係は一気に踏み込んだ内容へと発展したのである。

思えば似たような構図が香川県でも行われた。それはスーパーマルナカである。フジと四国市場を二分する戦いの歴史。一早くイオンに秋波を送ったのがマルナカ。

包括的業務提携を発表した2010年当時のマックスバリュ西日本は売上約2450億円。

それが、マックスバリュ西日本はフジとの先だつこと、今年の3月には香川県と岡山県が本拠のスーパーマルナカグループを本体に完全吸収しており、今年2月期の売上髙5500億円、中四国地方でのシェアを伸ばし続けている。

愛媛県と広島県に主要な店舗を展開するフジを手中に収めることで包囲網は完成形となるのだろう。

中四国地方での営業強化=同地方を地盤とするイズミへの対抗心があることは間違いない。

一足先に店舗の拡充が図られた九州地方。ここでもイオンとイズミは熾烈な競争を演じている。

イオン九州 ・・・ 九州ジャスコとして2000年に上場、その後経営破綻した熊本の壽屋の大型店舗を継承、2003年イオン香椎浜SC(後のイオンモール香椎浜)で本格的なSC展開スタート、2007年マイカル九州を吸収合併、2015年ダイエーのGMS24店舗を継承、2020年イオンストア九州とマックスバリュ九州を吸収合併
マックスバリュ九州 ・・・ 2001年に経営破綻した熊本の壽屋の食品スーパーを継承して誕生、2003年イオングループの西九州ウエルマート(佐世保)・ハロー(佐賀)と合併、2008年タイホー(久留米)を譲り受け、2013年クリエイト(佐賀)を譲り受け、2015年ダイエーから九州地区の14店舗を継承、2020年レッドキャベツ(長崎)13店舗を経営譲渡、2020年イオン九州へ吸収合併し解散。→↑
イズミ ・・・ 1995年ゆめタウン遠賀店で九州の店舗展開を始める、2002年民事再生の熊本のニコニコ堂と業務提携その後2008年に広栄(熊本)に吸収合併(ゆめマート熊本)、2015年スーパー大栄子会社化(ゆめマート北九州)、現在、宮崎・鹿児島以外に店舗展開中
イオンとイズミの動き。それまでの九州地方からイズミの本拠地である中四国地方に焦点が移ってきたのは2010年代になってきてから。その中心ともなっているのがマックスバリュ西日本だ。イズミの本拠である広島市ではイオン本体もイオンモールを2店舗、アウトレットモール業態を1店舗。
マックスバリュ西日本 ・・・ もともと兵庫県のスーパーマーケットに対してイオンが資本参加したことが同社の発祥に関わっており、姫路市を本社所在地に関西方面の店舗展開が主となっていた。2000年に山陽マックスバリュ(広島市)と合併、2001年マミー(山口)と事業統合、2010年MV西日本として広島1号店を開店、その後、閉店となった広島市南区の広島サティの後継店舗としてマックスバリュが入ったこともあり、同たてもの内に2011年に本店(本社移転は翌年)も移転する。2018年広電ストア(広島市)の店舗が譲渡された。2021年マルナカと山陽マルナカを吸収合併。2022年フジが会社分割で事業子会社を共同持株会社設立、2024年フジと共同持株会社とMV西日本合併
イズミ ・・・ グループの店舗数:中四国106店舗、九州83店舗。2015年ユアーズ(連結子会社化)、2015年デイリーマート(徳島)子会社化、2018年セブン&アイ・ホールディングスと業務提携、2019年四国4県に36店舗を展開するマルヨシセンター(高松市)と資本業務提携により持ち分法適用会社に。鳥取、愛媛、高知以外で展開。
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