【香川県東かがわ市】高校生から中学生へ 《人道プログラム》杉原千畝氏の行動〜伝える授業〜

 昨年12月、東かがわ市立白鳥中学校で、香川県立高松高校の高校生が、元外交官の杉原千畝氏について中学生に伝える授業がおこなわれた。これは、高松高校が杉原千畝氏(ちうね)の妻の母校であった縁などから、千畝氏について深く学ぼうと同校で昨年始まった「人道プログラム」の一環。学びが深まるにつれて、高校生が自分たちの学んだ事を伝える場を持ちたいと、中学時代の恩師に呼びかけ、授業の開催が実現した。同プログラムは来年までの3年計画。

 杉原千畝氏は、第二次世界大戦中、当時の国の方針に反して、ナチスドイツから迫害を受けたユダヤ人にビザを発給し、多くのユダヤ人の命を救ったことで知られる日本の外交官。同氏が発給したビザは、命のビザとも呼ばれ、救われた命は6000人にのぼると言われている。

 授業には中学生約50人が出席し、女子高生2人が、同氏のビザ発給の経緯や葛藤、その後の人生などについて説明をした後、複数のグループに分かれてグループワークをおこなった。ワークでは、▼なぜ国に反抗する事ができたのかといった中学生からの質問に高校生が答えたり、▼自分が千畝氏だったらビザを発給するかとの高校生からの投げかけに中学生が悩みながら答えたりしていた。

 授業を受けた男子中学生は「ルールにのっとって誰かを傷つけてしまうのではなくて、柔軟な考え方を持って臨機応変に対応していく、”人として”のところも学べたと思います」と話していた。

 また、授業をおこなった女子高生の1人は「みんな積極的に質問などもしてくれて良かったです。一番伝えたいのは、杉原千畝さんが国に反して、自分の決断でたくさんの人を救った、その決断の部分です。今、世界中で紛争などが起きているので、千畝さんのような人道的な考え方を大切にすることを多くの人に伝えていきたいです」などと話していた。

 高松高校では、今後も様々な取り組みをおこなう予定で、人道プログラムの最終年である来年の夏には、複数の生徒と教員たちで、杉原千畝氏が実際にビザを発給した現地のリトアニアなどに赴くこととしている。

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