日本各地の公園や並木道に植えられているメタセコイアは、香川県三木町出身の三木 茂博士が化石で発見、命名し大戦中の1941年に論文を発表した落葉樹。
この木は絶滅したと考えられていたが、終戦直後、中国湖北省の山村で生きたメタセコイアが見つかり「化石が生きていた」と世界的な話題となった。
世界的古植物学者の功績を後世に引き継ごうと2020年、童話作家の高橋由美子さん(高松市)、挿し絵担当の猿渡啓子さん(同)が一冊の絵本を自費出版。タイトルは「メタセコイアの精 メタグランマ」。
2022年には、三木茂生家跡資料館を守る会、メタセコイア友の会・三木が中心となり、三木博士の生家跡資料館を修復した。
2人は、さらに映像化を企画。脚本は2023さぬき映画祭シナリオ大賞奨励賞に選ばれ、2023年9月にクランクイン。今年に入りドキュメンタリードラマ「メタセコイア・三木茂博士物語~自然と共に生きた生涯~」が完成している。
今年は三木博士没後50年を迎えることから、先ごろJR高松駅直結の商業施設『高松オルネ』アートギャラリーで、友の会・三木の主催により三木茂博士展が開催された。
パネル展示のほか、紙芝居と絵本の読み聞かせを上演。似顔絵師として活躍する寒川俊二さんが完成させた、メタセコイアの説明と歴史、博士の生涯をまとめた26枚の紙芝居「三木茂博士ものがたり」が初披露された。
高橋さんは「一冊の絵本が原点、猿渡さんのシナリオが映画祭で奨励賞を獲得。関係者の情熱が、ドキュメンタリードラマ三木茂博士物語として形になった。ひとりでも多くの人にメタセコイア、三木博士のことを伝え残したい」と話した。