【ANAグループ】 都会の若者が滞在して農業体験 アグリ・スマートシティ実証実験

東京都内で暮らしながら、農業や地域の活性化などに興味を持つ人たちが参加する3泊4日の滞在型農業体験プログラムが11月中旬に高松市内でおこなわれた。

これは、ANAグループなどが、リモートを活用して地域を活性化しようと昨年から進めている「アグリ・スマートシティ」構想の実証実験の1つで、具体的には、参加者がリモートワークをしながら地域に滞在し、農業体験などを通して地域の人たちと交流し、地域の活性化や移住の促進につなげようというものだ。現在、高松市を含む全国5都市が実証実験に参加している。

プログラムに参加したのは、都内に住む20代から30代の男女3人。取材した日は、高松市の五色台にある果樹園(西森くだもの農園)で、収穫が始まったばかりのみかんの収穫作業を実際におこなった。参加者は、疲れたときに見る海や町並みなどの景色が最高ですなどと話しながら楽しそうに手際よく作業し、3時間で約400㎏のみかんを収穫した。

都内から参加した20代の女性は「普段は主にデスクワークです。こうやって黙々と作業するのが好きで楽しいです。主要駅の高松駅から車で20分走ればみかん畑がある、こういう地域はあまりないような気がします。すごくポテンシャルが高い素敵なところだと感じました」などと話していた。

ANAの地域連携部 主席研究員の森 孝司さんは「天気にも恵まれ地域の方にもあたたかく迎えていただき、多様な交流が生まれて大成功だと思っている。自治体の判断にはなるが、アグリ・スマートシティ構想が価値があると見出していただき、1,2年の間に本格展開に向けての体制づくりや予算などが整備される形になればと思っている」と話していた。

高松市での実証実験は来年度以降も継続する予定で、市では、前向きに検討するとしながら、本格的に社会実装できるかなどなるべく早く見極めたいとしている。

📝ANAでは、人口減や東京一極集中に危機感を感じており、将来に渡って本来業務である航空輸送の需要を維持したいと、長期的に人の交流を生み出す地方創生や地域の活性化に力を入れている。また、コロナ禍での経験を元に、航空輸送以外の新規事業にも注力しており、これらの方針が今回の取り組みなどにつながっている。

タイトルとURLをコピーしました