公益財団法人日本ナショナルトラスト(東京都千代田区、会長:安富正文、以下JNT)は、自立的・持続的な保存・活用の仕組みづくりを支援する新事業「地域遺産支援プログラム(愛称:トラスト・エール)」を開始する。全国4つの民間団体を採択し、2025年度から専門家と連携しながら、担い手確保、資金調達、組織基盤の強化やまちづくりの課題解決等、総合的に伴走支援を行う。
人口減少や過疎化の進行、それに伴う地方財政の逼迫等により、地域の歴史・文化を物語る日本各地の文化遺産も、保存・活用を行う地域の団体の担い手や資金の不足が課題となっている。今後、こうした社会的課題がますます加速すれば、観光資源ともなり得る文化遺産が失われ、地域の衰退を招く恐れがある。
※関連情報:http://www.national-trust.or.jp/prg-chiikiisanshien/

引田地区の町並み

重要文化財 旧矢中家住宅 別館食堂(提供:NPO法人”矢中の杜”の守り人)

重要文化財 門脇家住宅(提供:門脇家住宅等保存協力会)

往時のハッカ文化を今に伝えるハッカ釜。滝上町では現在も和ハッカ国内生産量の9割以上を生産する。
- 地域遺産の保存・活用のノウハウや情報の提供
- 企画支援
- 活動の幅広い情報発信
- 市民への啓もう活動に対する協力
- 専門家や他の中間支援組織との連携の確保 他
本プログラムは助成事業ではないため、事業にかかる資金は各団体が自ら調達しますが、各団体は、JNTから年間100万円を上限に各団体の課題にあわせて研究者やコンサルタント等の専門家の派遣を受けることができます。こうした専門家の支援のもと課題解決に取り組むことで、地域が資金調達を含めたノウハウを得て、事業終了後も自立的に活動が持続することを目指します。
オーバーツーリズムにより観光資源への悪影響も懸念されるなか、地域が自立的に文化遺産を保存・活用できる仕組みをつくることで、その価値を持続的に高めながら、地域への理解・関心を持つ人々を増やし、地域の活性化につながることを期待しています。
設立:1968年(昭和43年)12月25日
所在地:東京都千代田区麹町4-5 海事センタービル
代表者:会長(代表理事) 安富 正文
事業内容:文化財や自然の風景地など観光資源の調査、保護、支援、普及活動等
ウェブサイト:http://www.national-trust.or.jp/