是非、高松市のまちなかに欲しい熱狂スタジアム  松山市には来年オールスターゲーム《かがわコラム》

高松市には意外だが、まとまった施設を擁する地域の運動公園は各地にある。まず海沿いの西部、生島町に香川県の中央的な位置付けの総合運動公園、その先の亀水町に亀水運動センター、本日オープンしたのは北部の香西西地区の埋立地に整備していた多目的広場サッカー・フットサル場、東部には郊外の牟礼町に牟礼中央公園運動センター、西南部の国分寺町には県立プールと西部体育館がある他、橘ノ丘総合運動公園が規模が大きい。

そして南側には髙松空港に近くに最近整備されたのがりんくうスポーツ公園、三谷町に南部運動場など、規模の大きなスポーツ公園が東西南北にバランスよく整備されている。中には平成の大合併で合併町に整備されていた施設も高松市の管理になった場所も多くあり、それぞれの地域で欠かせぬ市民スポーツの拠点となっている。

本来なら県内有数の大規模な施設の整備を目論んでいたのが、空港脇のりんくうと並び最後に整備された高松町の高松市東部運動公園。ここはサッカーに力を入れていて第1、第2サッカー場とフットサルコートがある。軟式野球場にソフトボール場と野球にも力を入れた。

当初予算は本来はスタンドを備えた本格的な運動施設を整備されていたはずなのだが、公共工事にありがちな毎年少しずつ予算消化することで、長年の時間が掛かってしまった。その間経済環境が変化し市の財政難も手伝い大幅な計画見直しによって夢と消えてしまった。

しかし計画当時とは違い、香川を拠点の地域スポーツ熱が、プロチームの誕生によって様変わりしてきた。例えばプロサッカーチームのキャンプ地誘致を目指すなど、目指す計画仕様の変更を行えば時代のニーズに対応した仕様にすることもできただけに、市民スポーツ施設への大幅変更縮小は正直に言って残念でならない。観客の観戦環境が考慮されておらず、せいぜいチーム関係者、家族、保護者の観戦エリアが整備されている程度。グラウンド環境が素晴らしいだけに勿体ない話である。ただどこでもという訳でなく、アクセスも考慮して駐車場も整備しておかなければ使えない施設になる。

市立のベースボールスタジアムを作れないか

高松市は機能低下して老朽化から存続が議論された県立屋島陸上競技場の所有を、香川県から引継ぎ改築。第二種レベルでユニバーサルデザインを施し、屋島レクザムフィールド(収容6千人)として活躍している。

当時は香川県のプロサッカー(カマタマーレ)の専用スタジアム案も計画段階にはあったが、周辺住宅の騒音問題もあって陸上競技に特化した。もちろんサッカーファンからすると専用スタジアムでの観戦は夢である。現在の丸亀市のレクザムスタジアムは収容人数は大きいが陸上競技場。

 

Jリーグは昇格の条件としてスタジアム整備を掲げており、J2で1万人以上、J1で1万5千人以上の座席を有することが条件、芝生席は含まれない。人口6万人ほどの地方都市鹿嶋市にあるカシマサッカースタジアムは4万人収容の日本有数の規模で町の中核だ。

北陸の富山市はコンパクトシティの推進、北陸最大のアーケード街など町づくりでも高松市とはリンクする部分が多い私たちに親しみが持てる街だと思う。

今ここに、野球のBC独立リーグ(富山サンダバーズ)、バスケットボールBリーグ(富山グラウジーズ)、Jリーグサッカー(カターレ富山)、バレー(黒部アクアフェアリーズ)が相次いで誕生。これも当地と状況が似通っており、高松市共々、地方都市でこれだけの地域プロスポーツが集積するエリアの例は他にあまりないと言っていいのではないか。

ただそうしたチームのメーンとなる競技施設は高松市より条件が良く、すでに日本海側で唯一となる3万人収容の野球場と、4600人収容の体育館、28000人収容のJリーグ基準を満たした陸上競技場を富山市内に擁しているという恵まれた環境にある。またそのことがスポーツ熱の高さに繋がっているとも言えるだろう。

その点、高松市には野球のスタジアムも郊外にある古い施設だし、サッカー場には観戦スタンドがほぼない。体育館については、サンポート地区に建設を計画しており、バスケットボール(ファイブアローズ)のホームアリーナについては唯一、更新される見込み。市民スポーツレベルでは多くの施設が整備されていても、お金を取って観戦するスポーツセンターの整備は立ち後れていると言える。このことが大きなハンディになってしまっている。

松山市にある坊ちゃんスタジアムは松山の野球文化向上に大いに役立っている。毎年の様にプロ野球公式戦を開催。松山市の知名度の向上にも寄与している。2022年のプロ野球オールスターゲームはこの坊ちゃんスタジアムで開催されることが発表されている。高松市には公式戦すら開催されないのとは大違いである。

観客の熱狂が周りに伝播まちなかスタジアムの魅力

 サッカースタジアムは今のところ丸亀市のスタジアムで機能は満たしていて新たに高松市の新設は難しい状況だ。

“富山旋風”が地域スポーツ界に吹き荒れる、新潟市における地域プロスポーツ運営の成功物語となった第二の新潟アルビレックスとして、プロスポーツが地域おこしにも、人々の結びつきをもたらし市民スポーツの活性化に相乗効果をもたらしていく。高松市の動向に注目をしているところだが、現在までのところ大きな動きはない。

高松市でも地域プロスポーツチームの発展をサポートしていけるかが問われている。すでにバレーボールチームは撤退してしまった。サッカーは丸亀市が本拠地になり、三豊市にトレーニング施設を計画。香川オリーブガイナーズも生島町まで応援に気軽に行くわけにはいかない。一番理想は多くの市民や県民に現地に行って観戦をしてもらえること。香川県にそうした環境は整ってはいない。

プロスポーツを家族揃ってスタジアムで生観戦する文化、選手たちに声援を送ってチームを強く育てる雰囲気づくりを目指して行けたら、もっと魅力ある都市になる。アフターファイブをスポーツ観戦に過ごすことが出来る街。

富山市には負けられない。

 スポーツ観戦の楽しさはもちろんチームが強いことではあるが、それにも増してスタジアムやアリーナ環境の良さが影響すると言って良い。後から造る以上、どこにもない良いものを期待するのは人情である。ここはぜひ高松市内にまちなかスタジアム(野球場)の建設を求めるものだ。例えば場所は競輪場のあたりではどうだろうか?そう密かに願っていたが競輪場の存続が決まったことは残念ではある。次の候補地は現在刑務所がある場所では如何だろうか?

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