穴吹興産㈱(高松市 穴吹忠嗣社長)、リコージャパン㈱(東京都)は12月19日、再生可能エネルギー事業において業務提携契約を結んだ。
業務提携契約にあわせ、再生可能エネルギー電力の調達を進めるため、太陽光発電によるオフサイトコーポレートPPAに関する契約も締結する。
オフサイトコーポレートPPA事業は、自社施設外に設置された再エネ発電所から、電力を直接購入する仕組み。再エネ発電事業者と、企業など電力の購入者で長期的な契約を結ぶ。
穴吹興産は発電事業者となり、さぬき市(アルファ津田カントリークラブ敷地内)に約3100kW/DCの非FIT太陽光発電所を設置し、設備の運転と保守管理をおこなう。あなぶきグループの日本電力㈱が施工、管理を担う。
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リコージャパンは、小売電気事業者として、発電される電力と非化石証書を調達し、再エネ電力を需要家となるリコージャパンおよび同社サプライチェーン企業、あなぶきグループに供給する。
2025年4月の供給開始を予定。さぬき市の設置する太陽光発電所で賄うことができない不足分は、リコージャパンが他電源の電力供給によりカバーする。
穴吹興産は、長期契約による収益の安定化を背景に、クリーンエネルギーの普及、持続可能な社会の実現のためエネルギー事業の強化を図る。
リコージャパンはカーボンニュートラル達成に寄与、電力コストの安定化が図れるメリットを生む。
なお本事業は、経産省の「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」の採択を受けている。
業務提携締結式で穴吹興産 近藤陽介常務取締役は「日本企業として初めて、RE100に参加したリコージャパンと連携し、当社の開発力、施設の管理を含めトータルでシナジーが発揮できる。香川県内のみならず他県へ発展させていきたい」と期待を口にした。
リコージャパンの田保勝久執行役員は「脱炭素ビジネスを進めていく上で、当社の特長と強みを活かしたビジネスモデルを模索しているなか、穴吹興産に様々なアイデアを提供してもらい、最強のビジネスモデルができた」と話した。
今回の取組みによるCO2排出量の削減効果は、年間117万7470kg-CO2で、一般的な家庭での使用電力に換算すると約630世帯相当の排出量に相当する。
穴吹興産の用地取得や開発力、リコージャパンの国内ネットワークを活かした提案力、電力需要家の獲得という、互いに持つノウハウを融合し、両社は業務提携を機に、日本全国でのクリーンエネルギー普及を目指すプロジェクトを拡大、蓄電所開発を見据え事業の拡充を図る。
なお、新たな需要家に再エネを提供するため、穴吹興産は東かがわ市で2カ所、三豊市で1カ所、次の太陽光発電所の開発計画を進めているという。