成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社(東京都港区、志水雄一郎社長)は、継続的にスタートアップ動向に関する調査を行い、同社サービスである「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」に調査結果を公開している。今回は、「スタートアップ資金調達金額」の2024年年間を発表。
※資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。
同社は、2023年7月に設立された新進気鋭のAI研究開発企業で、自然界の仕組みを参考にした新しいAI基盤モデルの開発に注力しています。小規模な生成AIモデルを効率的に組み合わせ、高性能かつ省エネルギーなAIを実現する技術を持つ点が強みで、巨大なコンピューターと大量のデータを用いる従来のAI開発手法とは一線を画し、特にコストや電力消費を抑えながら高い性能を発揮する技術が注目されています。また、同社の名前「サカナ(魚)」には、自然の進化や集団知能といったコンセプトが込められており、従来の手法にとらわれず新たなパラダイムを追求していく姿勢を表されています。
2024年9月にNVIDIAとの協業を通して、同社は日本国内におけるAI研究開発の拠点を強化し、NVIDIAの最先端GPU技術を活用した省エネ型のAI開発を進めていくそうです。今後もAI人材育成やコミュニティの活性化に注力し、国際競争力を高めるとのことです。
同社は5カ国9社のグループ会社を通じ、途上国において中小零細事業向け小口金融サービス(マイクロファイナンス)を展開しています。金融包摂を世界中に届けることをミッションとして2014年7月に設立され、低価格で良質な金融サービスを2030年までに50カ国1億人以上に届けることを目指しています。2024年3月末時点でインド・カンボジア・スリランカ・ミャンマー・タジキスタンに1万人を超えるグループ従業員を擁し、融資顧客数は240万人(女性比率95%超)、連結融資残高は1,200億円を突破するなど、ソーシャルインパクトを生み出しています。
今後は調達資金を活用し、インドやタジキスタンなどの既存市場での拡大やアフリカ地域への事業進出を進め、金融包摂の推進を図っていく方針。また、借入手段の多様化とコストの最適化を通じ、持続的な成長を実現するための資本基盤を強化していく意向とのことです。
同社のサービスは、旧一般電力電気事業者や商社から電力をまとまったボリューム(10MW~50MW)で調達し、新電力会社に小分け(0.1MW~5MW程度)にして販売するビジネスモデル。同社がポジションを取って先物取引やデリバティブ、オプション取引等の金融手法を用いることで、電力価格の大きな変動を抑え、新電力各社に電力の安定的な調達機会を提供しています。2024年8月には、シタデルへ全株式を譲渡し、日本の電力市場を一段と発展させる方針です。
同社は、親会社であるハイレゾが香川県に設立した特別目的会社であり、香川県内の既存研究施設「RISTかがわ」や廃校となった「旧綾上中学校」の体育館を一部改装し、データセンターを開発する計画。都心部に集中しがちなデータセンターを地方の施設に設置することで、開発コストを抑え、国内の幅広い事業者に対し、低価格でAI向けサービスを提供することを目指しています。
今後は地域経済の活性化を図るとともに、国内におけるAIインフラの重要拠点として事業拡大を進めていく意向を示しています。
タイトル:「スタートアップ資金調達金額ランキング」
・調査期間:2024年12月1日〜12月31日まで(2025年1月9日時点)
・レポート記事:STARTUP DB (https://journal.startup-db.com/articles/funding-ranking-202412)