【県庁にランウェイが登場】パリ発の創造性を郷土へ——若手デザイナー吉原潤氏、保多織を世界水準の舞台へ

香川県ゆかりの若手デザイナー・吉原潤氏が、2025年10月にパリで開催された国際ファッションイベント「Global Fashion Collective Paris」において、県の伝統工芸品である「保多織(ぼたおり)」を用いたコレクションを発表した。

伝統織物を現代的な造形へ再編集した同氏の挑戦は、海外バイヤーやメディアからも高い関心を集め、保多織の新たな価値創造に向けた取り組みとして注目を浴びた。

その帰国報告を兼ね、県庁東館ピロティ(国指定重要文化財)を舞台とするランウェイショー「『瀬戸内の風、パリの光。-帰国ランウェイ in 香川』」がこのほど開催された。

一般公開・無料のイベントながら、約200席が先着順で用意され、県民が“世界の舞台に立った保多織”を間近で鑑賞できる希少な機会となった。

モデル12名のうち、2名は県出身のプロモデル(中山らら氏、喰代俊之介氏)。残る10名は県内から公募されたティーンからシニアまでの幅広い層が登場し、〝工芸×ファッション〟というテーマに県民が主体的に参加する構成とした点も特徴だ。

ショーは吉原氏の挨拶とパリでの活動報告で幕を開け、続いて池田知事が保多織をまとって登壇。プロモデルと共にランウェイを歩く演出で、地域が一体となって伝統工芸の新たな可能性を発信する姿勢を示した。メインプログラムでは、音楽・照明を用いた本格的な演出のもと、保多織の質感とデザイン性を引き出した12体のコレクションが披露され、ショー終盤にはフォトセッションもおこなわれた。

主催は「保多織ファッション@パリ実行委員会」(代表:古川京司氏)。香川県をはじめ、高松市文化協会、漆器作家・竹森滉氏、(一社)BUNKA、Alternative Factoryなど多様な団体が協力し、地域文化資源を国際的文脈に乗せるプロジェクトとして推進した。

今回の取り組みは、若手クリエイターの挑戦を契機に、地域工芸が国際舞台へ進出する好例として位置づけられる。保多織をはじめとする香川の文化資源が、デザインの力を通じて新たな産業価値へ発展する契機として、今後の動向が注目される。

タイトルとURLをコピーしました